FDE CAREER ARTICLE
FDEの年収・給与相場【2026年版】日本の公式求人22件と海外企業を比較
結論:2026年7月20日時点に、本記事の採用基準で確認できた国内のFDE(Forward Deployed Engineer)系公式求人22件を調査しました。このうち年収レンジの下限・上限がともに公開されている21件を集計すると、求人票に記載された年収レンジは下限中央値750万円、上限中央値1,500万円でした。
ただし、これは実際に働く人の平均年収ではありません。各社が求人票へ掲載した募集レンジをそろえて比較した結果です。賞与、ストックオプション(SO)、株式報酬、固定残業代の扱いも企業ごとに異なるため、転職時は基本給と総報酬を分けて確認する必要があります。
この記事の要点
- 国内公式求人22件を調査し、上下限がそろう21件の下限中央値は750万円、上限中央値は1,500万円
- 21件の公開レンジ全体は500万〜3,000万円。上限非公開のGRIDを含む22件の下限中央値は775万円
- 中央値は「平均年収」でも「内定時の標準額」でもなく、公開求人レンジの中心傾向
- 米国ではOpenAIが$162K〜$280K+株式報酬(equity)、Googleは職位別に$174K〜$365K+bonus・equityを提示
- 給与を比べるときは、開発力だけでなく、顧客折衝、本番導入、AI実装、英語、出張条件まで見る
DOMESTIC FDE SALARY国内公式求人22件の調査結果
上下限がそろう21件で比較
各求人レンジの上限を比較
上下限がそろう21件の最小〜最大
目次
FDEの年収・給与相場の結論
今回確認した国内FDE系公式求人22件のうち、年収レンジの上下限がそろう21件では、下限が500万〜1,200万円、上限が800万〜3,000万円に分布していました。21件の下限中央値は750万円、上限中央値は1,500万円です。
GRIDは年収1,000万円以上と下限だけを公開しているため、上下限を比較する主集計から除外しました。GRIDを含めて22件すべての下限だけを並べると、中央2値は750万円と800万円で、中央値は775万円です。
この結果から読み取れるのは、FDEという同じ肩書きでも募集レンジに大きな幅があることです。担当する顧客、プロダクト、職位、開発責任、報酬制度が違うため、単一の金額を「FDEの平均年収」として扱うのは適切ではありません。
なお、FDEの仕事の流れを先に確認したい方は「FDEの仕事内容・必要スキル・類似職との違い」をご覧ください。給与レンジの差は、企業ごとの仕事内容の違いを理解すると比較しやすくなります。
国内FDE系公式求人22件の給与レンジを比較
比較対象は、勤務地が日本で、正社員またはフルタイムとして公開され、職種名に「FDE」または「Forward Deployed Engineer」が明記されている求人です。人材紹介会社が転載した求人、業務委託のみの募集、FDEに近くても別の職種名で掲載された求人、給与額が非公開の求人は集計から除外しました。
| 企業・ポジション | 求人票の主な給与表記・補足 | 公式年収レンジ |
|---|---|---|
| ソフトバンク/SB OAI Japan | 年収812.3万〜2,034.62万円 | 812.3万〜2,034.62万円 |
| JAPAN AI | 年収700万〜2,000万円。賞与・SOの記載あり | 700万〜2,000万円 |
| ナインアウト | 年収800万〜1,500万円 | 800万〜1,500万円 |
| ALGO ARTIS | 年収800万〜1,800万円。賞与を含む記載 | 800万〜1,800万円 |
| メダップ | 年収600万〜1,110万円 | 600万〜1,110万円 |
| ログラス | 年収1,000万〜2,000万円 | 1,000万〜2,000万円 |
| オープングループ | 年収736万〜1,448万円 | 736万〜1,448万円 |
| Dirbato | 年収600万〜3,000万円 | 600万〜3,000万円 |
| SecureNavi | 年収1,200万〜1,800万円 | 1,200万〜1,800万円 |
| RevComm | 年収1,000万〜1,500万円 | 1,000万〜1,500万円 |
| Helpfeel | 年収700万〜1,500万円 | 700万〜1,500万円 |
| UPWARD | 年収800万〜1,200万円 | 800万〜1,200万円 |
| アイスリーデザイン | 年収900万〜1,300万円。賞与の記載あり | 900万〜1,300万円 |
| ContractS | 年収500万〜800万円 | 500万〜800万円 |
| GRID | 年収1,000万円以上。上限記載なし | 1,000万円〜(上限非公開) |
| ラクスル | 年収1,155万〜1,742万円 | 1,155万〜1,742万円 |
| トイウェア | 年収500万〜800万円 | 500万〜800万円 |
| GROWTH VERSE | 年収700万〜1,700万円 | 700万〜1,700万円 |
| ストックマーク | 年収750万〜1,500万円 | 750万〜1,500万円 |
| Kiva | 年収500万〜1,200万円 | 500万〜1,200万円 |
| メドレー(社内変革型) | 年収700万〜1,200万円 | 700万〜1,200万円 |
| Jinba.io | 年収1,000万〜1,500万円+持分0.05〜0.15% | 1,000万〜1,500万円 |
OpenAIとGoogleにも東京のFDE求人がありますが、確認時点の公式ページでは具体的な日本向け給与額が公開されていなかったため、この22件の調査には含めていません。給与非公開の求人や、確認後に公開・終了した求人もあり得るため、この表は日本のFDE求人市場全体を網羅した統計ではありません。
給与非公開の募集も含む現在の企業・勤務地・働き方は「FDE求人一覧【2026年7月版】」で比較できます。
下限中央値750万円・上限中央値1,500万円の集計方法
「中央値」は、数値を小さい順に並べたときの中央です。上下限がそろう21件では、中央に位置する11番目を使いました。上限非公開のGRIDは、上下限を比較する主集計から除外しています。
- 下限(21件):500、500、500、600、600、700、700、700、700、736、750、800、800、800、812.3、900、1,000、1,000、1,000、1,155、1,200万円
- 上限(21件):800、800、1,110、1,200、1,200、1,200、1,300、1,448、1,500、1,500、1,500、1,500、1,500、1,700、1,742、1,800、1,800、2,000、2,000、2,034.62、3,000万円
- 下限のみ(22件):GRIDの1,000万円を加えると中央2値は750万円と800万円で、中央値は775万円
MEDIAN METHOD21求人の中央値を追える形で表示
下限を小さい順に並べる
- 500
- 500
- 500
- 600
- 600
- 700
- 700
- 700
- 700
- 736
- 750中央値
- 800
- 800
- 800
- 812.3
- 900
- 1,000
- 1,000
- 1,000
- 1,155
- 1,200
上限を小さい順に並べる
- 800
- 800
- 1,110
- 1,200
- 1,200
- 1,200
- 1,300
- 1,448
- 1,500
- 1,500
- 1,500中央値
- 1,500
- 1,500
- 1,700
- 1,742
- 1,800
- 1,800
- 2,000
- 2,000
- 2,034.62
- 3,000
この集計で分かるのは「調査対象の公式求人が、どの程度の募集レンジを提示しているか」です。実際の内定額、在籍者の給与、平均年収、転職後の年収、賞与を含む総報酬は分かりません。また、公開レンジが広い企業では、職位や期待役割によってオファー額が大きく変わる可能性があります。
転職判断に使う場合は、中央値だけでなく、自分が各求人のどの職位・要件に該当するかを照らし合わせてください。FDE関連の記事は「FDEナレッジ」でも順次整理しています。
海外・外貨建てFDE求人の給与:OpenAI・Google・Palantir
海外のFDE求人は、日本の求人と雇用制度、物価、税制、職位設計が異なります。そのため、本記事では米ドルのまま掲載し、日本円へ換算しません。為替換算した数字を、そのまま日本の年収相場とみなすこともできません。
| 企業・求人 | 公式掲載の給与レンジ | 給与以外の主な条件 |
|---|---|---|
| OpenAI FDE・NYC | $162K〜$280K | equityあり。顧客先への出張は最大50% |
| Google FDE III・米国 | $174K〜$253K | bonus目標15%+equity。開発経験5年以上 |
| Google FDE IV・米国 | $207K〜$301K | bonus目標20%+equity。開発経験8年以上 |
| Google FDE V・米国 | $262K〜$365K | bonus目標25%+equity。開発経験8年以上 |
| Palantir FDSE・Japan Forward Deployed | $135K〜$200K | 東京勤務・米政府案件の特殊枠。RSU(譲渡制限付き株式)・入社一時金(sign-on bonus)の可能性あり |
Googleの求人では、FDE III、IV、Vと職位が上がるにつれて給与レンジとbonus目標が上がります。単に「海外FDEは高い」と見るのではなく、求められる開発年数、顧客との技術ディスカバリー、本番AIシステムの設計・実装責任まで合わせて比較する必要があります。
Palantirの「Japan Forward Deployed」は、求人システム上はWashington, D.C.と表示される一方、公式説明では米政府案件を支援し、東京で働くポジションとされています。Active Top Secret ClearanceとSCI取得要件もある特殊な募集です。日本の一般的な現地採用FDEの給与として扱えないため、国内円建て求人の中央値から除外しました。
FDEで高い給与レンジが提示される理由
今回確認した求人票からは、FDEが「実装だけ」を担当する職種ではないことが分かります。高い給与レンジが設定される背景として、次の責任が重なる点が考えられます。
曖昧な顧客課題を技術要件へ変える
FDEは、完成した仕様書を受け取る前から関わります。メダップは一次情報からの課題構造化と合意形成を仕事として挙げています。顧客の業務を短期間で理解し、何を作るべきか決める責任があります。
自らコードを書き、本番で動くところまで持つ
Googleは、FDEを顧客環境でコードを書き、デバッグし、AIソリューションを共同で本番化する「embedded builder」と説明しています。JAPAN AIの求人でも、LLM/AIエージェントのPoC、API連携、フルスタック開発、本番導入、利用定着までが含まれます。
技術・ビジネス・推進を同時に求められる
FDEは、ソフトウェア開発、AI、クラウド、データ連携に加えて、顧客との調整やプロジェクト推進も担います。複数領域を横断して成果まで所有する人材を対象にした求人ほど、レンジが広く、上限も高く設定されていると読み取れます。
高い給与レンジのFDE求人で重視される5つのスキル
1. 顧客課題を構造化する力
現場ヒアリングから課題、制約、KPI、導入範囲を整理する力です。開発経験が同じでも、経営層と現場、技術チームの間で合意を作れる人は、担当できる案件の幅が広がります。
2. フルスタックで実装する力
PythonやTypeScriptを使い、API、バックエンド、フロントエンド、データベースをつないで動かす力です。一つの領域だけでなく、顧客環境のボトルネックを自分で切り分けられることが重要です。
3. LLM・RAG・AIエージェントを本番化する力
国内求人ではLLM、RAG、AIエージェント、ガバナンスが、Googleの求人では評価パイプライン、observability、MCPなどが挙げられています。デモ作成だけでなく、精度、安全性、遅延、コストを測りながら運用できる力が必要です。
4. 本番導入とプロジェクトをリードする力
要件定義から設計、リリース、利用定着、改善までを前へ進める力です。FDEの給与を見るときは「開発経験○年」だけでなく、どの規模の本番システムを、どの責任範囲で届けたかを整理すると、自分に近い募集レンジを判断しやすくなります。
5. 英語と顧客先で動ける対応力
グローバル企業では英語が必要になり、求人によっては顧客先への出張もあります。OpenAIのNYC求人は最大50%の出張を明記しています。日本の求人でも顧客訪問や現場理解が求められるため、勤務形態と移動条件は給与とセットで比較すべき項目です。
FDE求人票で確認すべき7項目
- 基本給と固定残業代:月給や年収に何時間分が含まれるか、超過分が別途支給されるか
- 賞与:支給回数だけでなく、想定年収に含まれるか、金額や算定基準が決まっているか
- SO・equity・RSU:付与の有無、数量、権利確定条件、未上場株なら換金可能性
- 職位:同じFDEでも、メンバー、シニア、リードで期待される責任とレンジが違うか
- 実装比率:顧客折衝、要件定義、コーディング、本番運用の時間配分
- 勤務条件:出社、顧客先訪問、常駐、国内外出張、オンコールの有無
- 評価指標:納品、利用率、業務削減、売上、プロダクト改善のどこで成果を測るか
特に、月給×12だけで比較すると、賞与込みの年収や株式報酬を含む求人との条件差を見落とします。選考中は、提示額の内訳を確認し、現金報酬と将来価値が変動する報酬を分けて考えてください。
未経験からFDEを目指す場合の考え方
今回の国内22求人は、顧客折衝、要件定義、技術リード、フルスタック開発、本番導入など、複数の実務経験を求めるものが中心です。そのため、エンジニア経験がまったくない状態から、上限レンジでFDEへ採用されることを前提にするのは現実的ではありません。
一方で、FDEになる経路は一つではありません。ソフトウェアエンジニア、データエンジニア、AIエンジニア、SIer、ITコンサルタント、ソリューションアーキテクトなどの経験を土台に、足りない領域を補う方法があります。
転職準備では、次の実績を一つずつ作ると、求人票の要件と結び付けて説明しやすくなります。
- 曖昧な業務課題をヒアリングし、成功指標まで定義した経験
- 画面、API、データベース、AIモデルをつないだフルスタックの成果物
- 認証、権限、テスト、監視、evalを備えた本番運用の経験
- 導入後の利用率や削減時間を測り、改善した記録
- 技術判断を非エンジニアへ説明し、合意形成した経験
求人要件に合わせた職務経歴書・ポートフォリオ・面接の準備は「FDE転職ガイド【2026年版】」で詳しく解説しています。
FDEの年収についてよくある質問
FDEの平均年収はいくらですか?
Q
FDEの平均年収はいくらですか?
A
日本のFDEだけを対象にした公的な平均年収統計は、今回の調査では確認できませんでした。本記事の750万円・1,500万円は、上下限がそろう国内21求人の「下限中央値」と「上限中央値」です。求人票の募集レンジを集計した値であり、平均年収ではありません。
日本のFDEなら年収1,500万円を受け取れますか?
Q
日本のFDEなら年収1,500万円を受け取れますか?
A
1,500万円を上限に含む求人は複数ありますが、全員へ提示される金額ではありません。経験、職位、担当領域、前職給与、選考評価によって個別に決まります。上限額だけでなく、自分が満たす要件と報酬の内訳を確認してください。
OpenAI東京のFDE年収はいくらですか?
Q
OpenAI東京のFDE年収はいくらですか?
A
2026年7月20日時点のOpenAI東京FDEの公式求人では、具体的な給与レンジは公開されていません。NYC求人のドル建てレンジを為替換算して、東京の想定年収とすることはできません。
海外FDEの給与は日本より高いですか?
Q
海外FDEの給与は日本より高いですか?
A
今回掲載した米国のOpenAIとGoogleの公開レンジは、国内円建て求人のレンジより大きく見えます。ただし、通貨、物価、税、医療・福利厚生、職位、雇用制度が異なるため、金額だけの単純比較は避けてください。
FDEへの転職で年収を上げるには何が重要ですか?
Q
FDEへの転職で年収を上げるには何が重要ですか?
A
FDEへ転職すれば年収が上がると保証することはできません。求人票に共通しているのは、顧客課題の構造化、フルスタック開発、AI・データ連携、本番導入、プロジェクト推進です。経験年数だけでなく「どの課題を、何を実装して、どの成果まで届けたか」を具体的に示し、自分に合う職位と報酬条件を確認することが重要です。
まとめ:FDEの給与はレンジの内訳まで比較する
2026年7月20日に国内FDE系公式求人22件を確認し、上下限がそろう21件を集計した結果、求人レンジの下限中央値は750万円、上限中央値は1,500万円でした。公開レンジは500万〜3,000万円と幅があり、賞与や株式報酬を含むかどうかも企業によって違います。
FDEの給与を判断するときは、平均らしい一つの数字を探すのではなく、職位、実装責任、顧客対応、本番導入、AIスキル、勤務条件、報酬内訳を分けて比較してください。
参考にした公式情報
- ソフトバンク/SB OAI Japan「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- JAPAN AI「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- ナインアウト「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- ALGO ARTIS「FDE(Forward Deployed Engineer)」
- メダップ「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- ログラス「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- オープングループ「Forward Deployed Engineer」
- Dirbato「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- SecureNavi「セキュリティFDE」
- RevComm「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- Helpfeel「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- UPWARD「フォワードデプロイ・エンジニア(FDE)」
- アイスリーデザイン「FDE/Forward Deployed Engineer」
- ContractS「FDE(Forward Deployed Engineer)」
- GRID「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- ラクスル「Forward Deployed Engineer」
- トイウェア「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- GROWTH VERSE「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- ストックマーク「Forward Deployed Engineer(生成AI/顧客実装)」
- Kiva「Forward Deployed Engineer(FDE)」
- メドレー「AI推進エンジニア(Forward Deployed Engineer)」
- Jinba.io「Forward Deployed Engineer」
- OpenAI「Forward Deployed Engineer(FDE)- NYC」
- Google「Forward Deployed Engineer III, Generative AI, Google Cloud」
- Google「Forward Deployed Engineer IV, GenAI, Google Cloud」
- Google「Forward Deployed Engineer V, Generative AI, Google Cloud」
- Palantir「Forward Deployed Software Engineer – Japan Forward Deployed」
- OpenAI「Forward Deployed Engineer – Tokyo」
- Google「Forward Deployed Engineer, GenAI, Google Cloud(Tokyo)」
WRITERライター紹介
黒山結音